電源ユニットについて

電源ユニットとは?

コンセントの交流電力をパソコン内部機器用各種の直流電力に変換して供給する部品です。
パソコン内でもCPU・マザーボード用、グラフィックボード用、HDD・SSD用など必要な電圧が異なりますので、スペックに応じて電源ユニットを変換する必要があります。

電源ユニットを交換する理由は?

一概にパソコンと言っても構成が変われば必要な電源容量が異なります。
高性能・多機能なパソコンの構成にすると必要な電源容量が大きく、低電力・低発熱のパソコンの構成は必要な電源容量が小さくなります。
電源容量が不足していると高負荷時にPCが不安定になったり、PC自体が落ちたり、ゲームやアプリケーションが落ちたりします。
大幅に不足している場合はPC自体が起動できないことがあります。

最適なワット数、最低限必要なワット数は?

パソコンの構成の最大消費電力の2倍の電源容量の電源ユニットが最も効率が良いと言われています。
最大で250Wの消費電力の部品構成なら 500Wの電源ユニットを選択するのがベストとなります。
とはいえ、今後の増設を予定している場合などは、余裕を持って選んでも大きな影響はありません。

パーツによる電源ユニットの目安

デスクトップPC(グラフィックカードなしのPC)に関してはCPUのグレード、
ゲーミングPCに関してはグラフィックカードのグレードが電源容量の目安になります。
グラフィックカードのグレードとCPUで大まかな目安をまとめます。

グラフィックカードなし
CPU:Celeron/Pentium/Core i3
350W以上 (タワー用電源(ATX))
250W (小型PC用電源(TFX/SFX))
グラフィックカードなし
CPU:Core i5/Core i7/Core i9
400W以上 (タワー用電源(ATX))
300W以上 (小型PC用電源(TFX/SFX))
グラボ GTX1650 500W以上
グラボ GTX1660/GTX1660Ti 550W以上
グラボ RTX2060 SUPER 600W以上
グラボ RTX2070 SUPER 700W以上
グラボ RTX2080 SUPER / RTX2080Ti 750W以上

※小型PC用の電源はHDDを多く搭載する仕様ではないため、HDD用に供給する電流が少なめに設計されており、総合的に少しワット数が少なくなります。

一昔前と比べてCPUの省電力化が大きく進んでおり、CPUに関しては10年前と比べると性能は数倍になっていますが、消費電力は70%程度に抑えられています。
一方グラフィックカードも性能当たりの省電力化が進んでいますが、他のパーツに比べかなり高い消費電力となります。

その他、グラフィックカードなしでも下記のようなケースでは電源ユニットの容量に余裕を見た方が良い場合があります。
[デスクトップPC(グラフィックカードなし)で500W以上にする目安]

内蔵のHDD 2台以上
内蔵の光学式ドライブ 2台以上
拡張カード 2枚以上
接続する予定のUSB電源のUSB周辺機器 5個以上

のうち条件を2個満たす場合は推奨、
条件を3個以上満たす場合は強く推奨します。

ATX規格の350W電源などの低容量電源では起動時に電圧の供給が足りなくなるため、起動しない可能性が高まります。
また起動したとしてもピーク電圧に近づくと、電源が落ちてしまう可能性が高いです。

特にハイエンドのグラフィックカードの場合は、
低価格・低容量電源では必要なPCIExpress用のピンがない場合があります。

80PLUS~って何?

電源の箱などに80PLUS~と書かれている場合があります。
「80plus」とは専門機関の高効率電源テストをパスした電源が
パッケージやwebサイトに表記することのできる認定になります。
[関連リンク]
80 PLUS Certified Power Supplies and Manufacturers(plugloadsolutions.com)
80PLUS認定団体による解説サイトです

80PLUS認証の格付けは
・80PLUS スタンダード(無印)
・80PLUS BRONZE
・80PLUS SILVER
・80PLUS GOLD
・80PLUS Platinum
・80PLUS Titanium
の順に高評価となっています。
こちらの基準を目標に作られた電源ユニットは発熱が低く、
ピーク時の消費電力が抑えられています。
また、熱劣化が少ないため故障率が低いなどメリットがあります。

電源容量のワット数(500Wなど)の高いものを選ぶと電気代が高くなる?

500W、700Wなどで表示されますが、電源ユニットで表示されているワット数は対応する機器の合計の最大電力です。
基本的に100Wのパーツ構成なら300Wの電源ユニットでも、800Wの電源ユニットでも100Wしか消費しません。
ただ、構成に対して電源効率の良い最適な電源容量があり、最適な電源容量を選べば、消費電力を多少抑えられます。

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